特定非営利活動法人 日本災害医療支援機構
理事長 押久保 直樹
私たちJVMAT(Japan Voluntary Medical Assistance Team)は、「助かる命を救って欲しい」を合言葉に、活動を続けてまいりました。
「大規模災害時の医療活動を迅速かつ効果的に実施するために必要な支援を提供する」という大きなテーマを掲げ、その具体的な内容を検討し、災害現場における実践を重ねてきたのです。
2000年7月の設立以来、医学会、行政、企業そしてボランティアの有志と協力し、多くの実績を残してきましたが、設立20年の節目となる2020年に、私たちの認識を覆す大きな事象に遭遇しました。
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大、いわゆるパンデミックの到来です。今までの「大災害=広域地震」という定点思考では、この未曾有とも言える災厄を克服することは困難である、と考えざるを得ません。
私たちは、パンデミックを「大規模災害」と定義し、新型コロナウイルスに限らず近い将来に必ず到来するであろう他の感染症拡大にも立ち向かえる知見とシステムを整えるべく、JVMATの活動を再加速させる決意を新たにいたしました。
災害の定義が修正されようとも、JVMATの理念に変わりはありません。私たちの情熱と覚悟は揺るぎなく不変であります。
「助かる命を救って欲しい」という言葉は、災害医療に携わる医療者の皆様へのエールでもあり、私たちと思いを共有する仲間への決意表明でもあるのです。
どうか皆様には、JVMATの理念をご理解いただき、災害医療支援の活動にご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。